2005-02-27から1日間の記事一覧

 漂流者 折原一著

漂流モノは面白い。本当にそれに遭遇した人もいるので不謹慎だが、小説としては何度読んでも面白いことは事実だ。 この小説は、漂流を題材に推理小説に仕立てている。しかも叙述トリックという手法を使っているのも私の好み。手紙とか日記とか手記とか回想と…

 犠牲 柳田邦男著

副題「わが息子・脳死の11日」。作者の家族の事である。死との狭間である脳死の状態での家族の気持ちと臓器移植を決意する経過、恐ろしくリアルで衝撃的である。 この類のものは、あくまでも第三者として書かれているものがほとんどであるだけに、ノンフィ…

 闇に消えた怪人 一橋文哉著

副題「グリコ・森永事件の真相」。犯罪ノンフィクション。読んでみて一番驚くのは警察の捜査の執拗さである。世間では忘れられてしまった事件でも裏では膨大な捜査員が動員されいろいろな事が解明されているのである。かなりあやしい容疑者などは、多数拾い…

 破裂 久坂部羊著

その昔、山崎豊子著『白い巨塔』を読んで感動し、進路は法学部と考えた。それほど『白い巨塔』には思い入れがある。 この小説は、現代版『白い巨塔』であるのだが、残念ながら緊張感はそれには及ばない。しかし、面白いことは間違いなく、昨今の医療事情、社…

休日当番医、サトちゃん

遂に病院に行く。日曜日なので地域の休日当番医を調べると「○○○こどもクリニック」が当番医のようだ。いつも子供達が風邪をひいたときに連れて行く小児科医であるため違和感を感じたが、意を決して出かける。 念のため受付で休日当番医であることを確認する…