再婚生活

著者の山本文緒は直木賞作家であるが、この日記形式で描かれている本人は鬱病に悩み苦しむただの人。『再婚生活』というタイトルが付いているが、『闘病生活』と署名を買えても良いのではないかと思うほどだ。

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1度目の入院から社会復帰した頃から始まるこの日記、鬱やパニック障害、不安症などを意識しながら日常生活、仕事、家族のことなど頑張ろうとする著者の日々が題材だ。再度の入院と入院生活、3度目の入院、そして回復に向かっていく姿など、一般には理解がされにくい鬱病患者の日々が描かれ、おそらく同様の病気を持つ本人や家族には勇気と希望を与えるものであろう。

著者は、連載の中断を余儀なくされるほどの病状が悪化したりする。悪化の原因も分析がされていたりして、薬の使い方や頑張らない努力の必要性、規則正しい生活の大切さなど鬱病にならない、悪化させない対処法などこの本から得るものは大きい。なお、ブックオフで単C105円であったので、投資効果が高かったのも、これ幸い。