遭難フリーター

記念すべきLASICの手術前後に読んだ本。派遣社員の実態・実情がリアルに知ることが出来る良本。

著者は、キャノンのプリンタ工場に派遣社員として働きながら、その日々を映像で記録し、一本の映画に仕上げた。映画『遭難フリーター』の原作。ただし、工場内など勤務中はカメラの持ち込みができないので、この本の方がよりその作業内容とか工場内の状況が理解できる。

生々しいですよ。就職が決まると派遣会社からママチャリが与えられる。ママチャリで工場に通い、日常品を買いだしをするなど、ママチャリの移動範囲内で行動する。

派遣社員の実態もすごい。概ね想像したとおりで基本的にだらしない。会社に遅刻するし、貰ったお金は直ぐに使ってしまうし、急に仕事を辞めちゃう。借金を重ね、いつも生活が苦しい。著者はそれでも良い方であって、借金を返すためにアリのように働き、映画を作るという理想のために働く。

派遣切りなど問題になったが、これは読んでみた方がいい。プリンタってこういう人たちが犠牲になってあの低価格が実現されているのだと思うと、世の中の見えない一端を覗いたような気がする。大切に使わなくちゃなんてね。

ぜひ、映画も観てみたい。