ICHI(いち)の「あげなすのおろしそば」

外食では、とにかく腹一杯食べたくなるので蕎麦などは食べないのだが、信州に出かけたので、美味しい蕎麦を食べてみようとトライしたもの。最初に結果だけを書いてしまえば、「過去、最高の蕎麦だ!」

お店の名前は「ICHI いち」。素っ気ない。場所は、八ヶ岳南麓の高根町だが、ムチャクチャ場所がわかりにくい。主要幹線からの通りがかりでは、絶対に入ることができないだろう。ヲレの場合、「美味しい蕎麦を食べたいのだけれど」と地元の子に訊いて訪れたもの。(注:「地元の子」とは、昼食を食べる前に行った美術館の受付をしていた若い女性)

こんな感じの看板が所々に立っているので、それを辿ると到着。

これがメインキャラのようだ。「沢野ひとし」かと思った。

入り口にある看板。スタンスがはっきりしている。けっして頑固ではない。やんわりと「理解してね」という感じ。

ご迷惑をおかけします。4名様以上の団体の入店はできません。ぜひ少人数でお楽しみください。

団体を断るのはとっても理解できる。客としても、静かに落ち着いて食事をしたい。まあ、団体の定義として「4名様以上」というのは厳しい感じがする。

建物が古い。明治時代の建物らしい。

しかも、元病院だ。「院病治明」という看板がついている。調べてみると、診察室が調理場、薬剤室が蕎麦打ち室、客間がお店ということらしい。でも、オカルトっぽくない。正面から見たところは、結構見れるけど、反対から(駐車場側)から見ると、間違いなく廃屋だ。

店内の様子。7〜8組程度しか入れない。団体客お断りも頷ける。

ここでも言い訳している。

ICHIは2人で営業しているので、めちゃめちゃ手うすです。うわっこりゃ時間がかかりそうだなと思ったら、今日はあきらめてまた来て下さいね。ICHI

ヲレは土曜日に行ったので3人でやっていた。多分、お父さん、お母さん、娘さん。皆、感じがとても良い。のろのろしていないし、しっかりサービスもしている。

ここでも団体客お断り。

しかも多人数は、うるちゃいので大の苦手なのだ。ぜひ少人数で楽しんでってね。ICHI

まただ(笑)。土曜日だったのでメニューは2つだけ。ヲレは「あげなすのおろしそば」を注文。平日や季節によっては、様々な品があると思われる。というか、このメニューがもう一度食べられるかも心配だ。

こんな感じ。野菜たっぷり。ナスだけではなく、夏野菜が素揚げしてある。それぞれ一口サイズ。大根は細切れになって、この夏野菜の下に、蕎麦つゆに浸かっている。蕎麦つゆもたっぷりあるのだが、蕎麦につゆを絡めるには、これら夏野菜などをある程度食べてからでないと不可能だ。大根の辛さと汁の濃さが絶妙。

蕎麦は、細めだがしっかりとした歯ごたえ。十割蕎麦。素晴らしく美味しい。夏野菜がたっぷりなので、満腹感あり。見た目の美しさと味、量、雰囲気とも値段相応。本当に美味しい蕎麦ってこういうものをいうのだろうと知る。蕎麦湯はとろとろで濃厚。いいぞ。

ちなみに、飲み物もメニューに無い。美味しい冷水が用意されているだけ。一緒に行った人が「ビールが飲みたい」というので、顰蹙を買うよと思いながら訊いてみる。奥さんと思われるいい感じの女性が、

  • ビールありますか?
  • うーん。
  • 無ければいいですよ。
  • うん、思い出した。あります。プレミアム・モルツだったかな。
  • じゃあ、ください。いくらですか。
  • えーと、そうそう510円。思い出した!

と笑顔。冷え冷えのビールを持ってきながら、

  • 「頼んだもん勝ちですよ」

と小さな声で言う。いいなあ、この雰囲気。

※8月5日追加

非常にわかりにくい場所ですが、Googleマップで探してみました。近くまで行って、地元の人に訊くのが良いでしょう。私は、ファミリーマートで教えて貰いました。


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