いよいよ選挙、静岡県知事選挙と東京都議会選挙の総括

衆議院選挙の日程が決まり、各党のマニフェストも出始め、マスコミもネットも賑やかになってきた。政党選択選挙などと言われているが、これについて考えてみる。

まず、政党を選択することがメインになってしまっているが、これは間違いで、選挙では、当然、政策を選択しなければならない。ところが、静岡県知事選挙と東京都議会議員選挙では、政党を選択した。

静岡県知事選挙。民主党川勝平太が当選。落選した立候補者を見てみる。

無所属の海野徹は、元民主党。「ラスパイレス全国2位の県職員の給与引き下げ」をマニフェストに掲げたため、自治労が支持母体である民主党から離れた。静岡県では、平成の市町村合併により静岡市浜松市が政令市になったため、県職員なんて半分にしてもいいくらい余っている。ポストが足りないため、出先機関やらわけ判らないポストを山ほど置いている。その上、給与が高い。ラスパイレス全国2位で、国家公務員より給与が高い。海野徹が「県職員給与引き下げ」を掲げたのはもっともなのだ。でも、落選。

自民党の坂本由紀子は、元静岡県副知事。つまり、石川前知事の部下だったということ。この人の選挙公約は酷いもので、時代錯誤な内容。具体的な政策は挙げず、なにも期待できない主張は、有権者に届かなかった。当然だ。見た目も弱々しい。

共産党候補は、論外。

では、川勝平太はどうだっただろうか。

まず、この人、静岡県民でないのだよ。京都生まれ、大阪育ち、長野県在住。おまけに、石川前知事のブレーンのくせに、民主党の推薦を受けて立候補。当然、自治労を敵に回せないので県職員の給与引き下げなどとは言えず、「給与下げない代わりに1割余分に働いてもらう」などと学者らしい言い訳でごまかす。ただし、選挙演説は絶叫型で迫力があり、力強さを感じた。民主党としての選挙公約を掲げたが、当選翌日には「ノーサイド」と宣言し、他候補の良いところは取り入れると宣った。基本的に、石川→坂本でも、石川→川勝でも、流れは変わらないということ。

ただし、県知事になって初めての所信表明では、「地方に権限と財源と人を委譲する」となかなか小洒落たことを言った。「権限」+「財源」までは良く聞く言葉だが、「人」まで言う人はなかったぞ。まあ、使えない県職員の天下り先に市町をあてがったということかもしれないが。

静岡県民は、政党で川勝平太を選んだ。ヲレの当選後の印象的は、意外に面白いかもしれない、期待できるかもしれないという感じもあるが、それは4年間の政策実行で評価される。学者の空論、上滑りで終わらないように期待したい。

次に、東京都議選挙。これは、完全に政党で選ばれた。でもね、議会議員選挙なんだよね。現石原都政の審議機関である都議会を構成する議員を選ぶのだから、今回の選挙の結果は、石原都知事の政策を追認してきた今までの議会に対する批判でなければならない。ところが、実態は違う。有権者は、石原都政は認めるが議会は民主党を与党としたという矛盾な状態。

ヲレは静岡県民なので直接影響はないと思うが、ほんとこれでいいの?という疑問符だらけ。執行部と議会との対立は、都政の混乱を生む。ブームのような波に乗っかってしまった都民の責任、選挙のツケはこれから東京都民の身に降りかかるだろうよ。

結論、安易に政党で選ぶべきではない。政策に注目しようよ。