WBCフライ級タイトルマッチ12回戦

メディアが騒がしい。前回のエントリには、

それにしても亀田兄弟の試合は、演出が安っぽすぎて品がない。リングアナウンスもしかり。タイトル戦なんだから。日本人として、恥ずかしいよ、この空騒ぎが。

と書いたところであるが、マスコミでもやっとメディアの責任についても触れられるようになった。内藤選手は「国民の期待に・・・」と試合前に言っていたが、同じように皆薄々感じていたのだろう。なんで亀田家こんな傍若無人な態度が許されるのだろうと。
結局、必要以上に亀田家の暴走を煽ったのは、メディアであり、見て見ぬふりをしてきた協会であり、それら商業主義にのせられた国民であるが、結局のところ、それら風潮を喜ぶ社会状況に問題がある。

昔からボクシング選手のリップサービスは存在する。ボクシングはルールのあるケンカだ。だから、試合前に気持ちで負けては勝てないだろうから、リップサービスで自分の優位を示すのは、手段としてはある意味当然だ。

しかしながら、タイトル保持者に挑戦するレベルのボクサーであれば、タイトルやチャンピオンに対する敬意は持たなければならない。また、自分がそこに挑戦するという尊さに気づかなければ、所詮、挑戦者として失格なのであろう。角界も同じことで問題になっているのは皮肉なこと。やはり、社会問題として考えなければならないかもしれない。

今回のファイトマネーは、亀田大毅は1億円、内藤大助は1千万円。チャンピオンに対して屈辱的な扱いだが、内藤はこれを受けた。内藤は、家族を抱えながら今年の5月までレンタカー屋でバイトをしながらボクシングを続けてきた。たかだか1千万円入っただけで、蓄えをする、温泉に行きたいなんて言っている。実に、謙虚ではないか。

ボクシングの魅力は、その背景にあるハングリーな面がその結果に繋がってくることではないかと思っている。それが日々頑張っている人々に共感を得て、人気がでる、応援をするが正しい方向ではないか。辰吉丈一郎や孤児院で育った坂本博之などその良い例だ。虚像のボクサー亀田は、やはり本来の姿ではない。

最後に、モハメド・アリの名言。

あまりにも順調に勝ちすぎているボクサーは、実は弱い

まさに言い当てている言葉。辰吉丈一郎の息子(現在15歳)がもう少しでプロデビューが現実的になる(17歳でプロテストが可能)。亀田とは違う路線での活躍を期待したい。