百田尚樹著『影法師』は、泣けるぞ

今、百田尚樹が素晴らしい。どの小説を読んでもハズレがない。

それは、『永遠の0』が売れている、話題になっている、映画化だからじゃなくて、どの小説も現在の日本に失われつつある気概と観念を巧みに描いているからだ。百田は右派、軍国主義、戦争肯定だとかSNSで叩かれているが、言わんとしているところはそこではない。しっかり行間を読もうよ。

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福島へ戻る新幹線の中で読むようにと購入した『影法師』。ヲレにとっては久しぶりの歴史小説であるが、これは名作、名泣ける。まるで山本周五郎の進化版ではないか。こういう小説も書けるのかと驚きである。

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文庫本の企画が面白い。雑誌連載時に書かれた最終章、単行本には掲載されなかったが文庫本では袋とじで収録。昨晩、袋とじの手前まで読み終わったのが深夜1時、続きを読まずに眠れるわけがなく、こそこそと布団から抜け出しカッターナイフで切り裂く。ついでに写真も撮る(笑)

影法師 (講談社文庫)

影法師 (講談社文庫)

 

 袋とじ部分は、わずか6ページ。内容は、どうかな。ヲレ的には掲載しなかった単行本が正解に思える。ある秘密が描かれているが、あまり知り得たくない内容でいかがなものか。まあ、これも一つの驚きの展開として否定はできないが。