2013年9月の読書メーター

読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2575ページ
ナイス数:238ナイス

 

やっぱり凄かったのは、『風の中のマリア』、虫の世界をこれだけリアルに描けるのは、今、勢いのある百田尚樹だからじゃないかと勝手に思っている。筆が走る、筆が乗るんだろうなあ。


小説ヤマト運輸 (新潮文庫)小説ヤマト運輸 (新潮文庫)感想
メール便3000通くらいは利用しているが、地方にとってインターネットと同じくらい有益なサービスで素晴らしい。小説はメール便ができる前の所で完結しているが、その土壌は充分想像できるくらいの社風と指導力、先見性が感じられる。ちょっと創設者の部分が長すぎて中だるみ。
読了日:9月30日 著者:高杉良
共震共震感想
4月から南相馬市に単身赴任ですが、初っ端から南相馬市の双葉食堂が出てきたのは嬉しかった。殺人のトリック解決に至る経過は子供だましのような安直さがありますが、全体的には一生懸命伝えようという意気込みが感じられます。行政と業者との癒着みたいなことをステレオタイプ的に書かれているのは腹が立ちます。頑張っているよ、現地の役所の人。伝えようとすることが多すぎてバラバラ感、つまみ食い感が多々します。過去と現在、登場人物がコロコロ変わり、判りにくいことこの上なし。小説としては如何なものか、私は評価しない。
読了日:9月20日 著者:相場英雄
風の中のマリア (講談社文庫)風の中のマリア (講談社文庫)感想
これは凄い。過去に書店で手にとっても読む気が起こらなかった自分が情けない。オオスズメバチの擬人化であるが、とても親近感を感じる手法で私はこれ好きだ。なんと言っても自然の不思議、偉大さをこれだけ判りやすく表現できるのは、この手法の勝利。それにしてもあの恐ろしいオオスズメバチに感情を持たせ、悲しみさえも感じさせる百田尚樹の力量、心から尊敬する。名作だ。
読了日:9月19日 著者:百田尚樹
残り全部バケーション残り全部バケーション感想
良くも悪くも伊坂幸太郎ワールド、好きです。4月から東北に単身赴任して仙台には良く行くようになったので、どこかで本人に会えるのではないかと期待しているし、親近感も今まで以上に沸いている。単身赴任で辛いこともあるが、残り全部バケーションって考え方にはちょっと励まされている。ちょっとした小道具のような会話の妙は、読んでいて小気味よい。登場人物を整理した小説がもう一冊書けそうな不完全燃焼のような状態で終わるが、それはそれでいいのではないか、余韻があって。
読了日:9月9日 著者:伊坂幸太郎
生存確率: バイタルサインあり (新潮文庫)生存確率: バイタルサインあり (新潮文庫)感想
山崎豊子著『白い巨塔』ほどではないが、象牙の塔がベースに地域医療、先端技術などを話題にしながら話は進展する。ITバブルのこともそうだが、実社会で起きたことを辿るのでリアルに感じる。全体的には古き良き時代の小説の雰囲気だが、なにかぴりっとしないのだな。主人公が意外に一本筋が入っていない普通っぽいのが原因。小説的には、スーパーウーマンでないのはそんな感じになってしまうのかな。それともバランスの問題か。
読了日:9月7日 著者:久間十義
ファミレスファミレス感想
8ポ2段組、重松清がじっくりと書き込んだ小説。登場人物が著者と同年代、つまり50歳、読んでいる私も50歳、笑えないような心情とリアルな感覚にちょっとびびる。来年4月には息子が家から出る。ヲレは来年3月まで東北に単身赴任。どうなっていくのだろうか、我が家族はと思いながら読み進める。登場人物がみな同じ年代なので若干混乱を来すところがあったが、重松清は優しいので誰もが悪者で終わることはない。それぞれが頑張っている感じが好ましい。
読了日:9月2日 著者:重松清
伊勢神宮の衣食住 (角川ソフィア文庫)伊勢神宮の衣食住 (角川ソフィア文庫)感想
神道、伊勢神宮フェチであるが、この本は知りたいことが詳しく書かれていてとても勉強になる。単なる観光ガイドではなく、歴史と意義など根っこの所から説明をしてある。著者の本音の部分も時々でて面白い。
読了日:9月2日 著者:矢野憲一

読書メーター