囚人狂時代

見沢知廉が続く。この書籍は、処す説ではなく実体験に基づくノンフィクション。だから、文体は普通の文体で、読みやすい。

囚人狂時代

囚人狂時代

千葉刑務所に12年服役した経験を綴ったもので、獄中で知り合った三越事件の岡田茂あさま山荘事件の吉野雅邦、金属バット事件の一柳展也などが実名で登場する。

千葉刑務所は、強盗・殺人・強姦など凶悪犯罪を犯した者が収監され、その4割が無期懲役という長期刑務所。したがって、精神に異常をきたす者も少なくなく、刑務所内の日常は常人には計り知れないものがある。未だに明治42年制定の監獄法で運営されているという前時代的な代物。

逮捕されてから、留置所の拘留から千葉刑務所への収監、医療刑務所、そして極めつけは8年間の厳正独居房などの様子が、克明に記載されている。そんな経験はしたくないけど、その中は知ってみたいというブラックボックスの中身をのぞいているような貴重な書籍だ。