天皇ごっこ

偶然、ブックオフで105円で見つけた本。1995年刊、すでに絶版。

著者は、筋金入りの新右翼の活動家、日本IBM、英国大使館などへの火炎ゲリラ活動、リンチ殺人事件などにより12年間服役。しかも、3000日の懲罰房。この書籍の元となった原作は、獄中で執筆し、新日本文学賞の佳作に選ばれたもの。

天皇ごっこ

天皇ごっこ

服役中は、便箋の枚数とかノートに記載できる量やそれらに書くことが出来る文字数などが制限されているが、著者はゲリラ的に原稿を書き、何らかの手段を駆使してその原稿を外に持ち出し、支援者を通じて新日本文学賞に応募している。本書は、その原作70枚を450枚に加筆し、単行本化された。

さて、その内容だが、衝撃的な臨場感、奥深さ、ブラックユーモア、常人では想像も付かない世界観、すばらしい。最近は、ほとんど小説を読まないが、久しぶりに一気読み。左翼も右翼も経験した著者が、天皇と日本という国家を、体験を元にリアルに描いている。

残念ながら、著者は2005年9月7日にマンションからの転落死。