極道記者 塩崎利雄著

ジャンルは賭博小説で、昭和51年の刊行。幻の傑作ギャンブル小説といわれ平成5年に復刻されたもの。まー、とにかく面白い。競馬・麻雀・手本引き・チンチロリンなど次から次へと出てくる博打の数々。まーそれも描き方が本物っぽいというかリアルなのだ。競馬についても実際の菊花賞などを題材としたもので、当時の競馬ファンが泣いて喜ぶであろう。
この塩崎利雄は、現在もスポーツ記者みたいなことをしているようで、何年か前に雑誌でインタービュー記事を読んだ。驚くことに博打で億単位の借金があるようなことを言っていた。この小説の主人公そのものの生活をしているよう。
ピカレスク小説は、私の最も好きなジャンルの一つである。再読に耐えられる小説はたくさんないが、この小説は3度読んでも面白い。傑作である。お薦め度:100/100
極道記者 (幻冬舎アウトロー文庫)