書籍

 下町ロケット、2005年のロケットボーイズ

中小企業、町工場の心意気っていう小説。大企業のイジメ小説とも言う。とは言え、直木賞受賞作品。実は、町工場の技術って凄いものがあって、この小説の町工場もロケットエンジンを供給するというもの。いや、町工場が大企業に立ち向かうその姿は、こういう…

 BILLY BAT / 浦沢直樹

このところ次巻の発売が待ち遠しいのが、浦沢尚樹著『BILLY BAT』だ。現在、7巻まで発刊されているが、2ヶ月に一冊のペースなので、8巻の発刊は9月20日頃か。この人の漫画は、1巻ずつ読んではダメで、この『BILLY BAT』もそうだが完結してから一気に読むのが…

 モダンタイムス

お気に入りの『魔王』の続編という位置づけだが、読んでみればそれ以上のスケールと面白さ。それにしてもだ。会話の妙、奥深さ、展開の巧みさ、魅力的な登場人物、どれもこれも伊坂小説ならではでマジ素晴らしい。一体どこからこういうアイデアがでるのか、…

 終末のフール

「小惑星が8年後に衝突するという地球が滅亡する」と予告され5年が過ぎた頃、自分たちの命は限りあるという現実の中で一市民がどう生きるかを描いている。文庫本の帯には「世界が終わるその前に、今日あなたは何をしますか?」とあるが、東日本大震災や原発…

 魔王

伊坂幸太郎作品の全制覇を目指している。とりあえず手に入れやすい文庫本から読み始めている。「魔王」と「呼吸」の2編。著者曰く「直接的な続編とは言いにくい」とのことであるが、一気に読んでみれば一つの小説だと感じる。巧みにそれぞれの物語がリンクし…

 SPEED

ザ・ゾンビーズ・シリーズの第3弾、待ちに待った文庫化。文庫本をAmazonで予約で購入したのは初めてだ。ストーリは、どこかで読んだような展開(『フライ、ダディ、フライ』ね)で新鮮味がないが、シリーズものでもあり、安心して、小気味よく、無条件に楽し…

 我が家の問題

ヲレの中では、『家日和』の続編。単行本化を待ちかね、予約で購入したもの。我が家の問題作者: 奥田英朗出版社/メーカー: 集英社発売日: 2011/07/05メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 33回この商品を含むブログ (41件) を見る奥田英朗と…

 神様のカルテ

軽く読了。話題になり映画化もされるということで、ついつい手に取ってしまったが、まあ、想像したとおり軽いノリ。櫻井翔とかいうジャニーズ系が主演ということだけで多分・・・という気持ちがあったが、やっぱりか。カバーデザインもなんなんだ?というイ…

 チルドレン

もう一言に尽きる。伊坂幸太郎、巧い!チルドレン作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/05/21メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 77回この商品を含むブログ (426件) を見る同じく伊坂小説の傑作『砂漠』もそうだが、キャラクタの作り込み…

 ひかりの剣

救命医フェチ・アンド・ジェネラル速水フェチにヲレには、読み進めるのが勿体なくなる。いや、それほどの面白い。こういうテーマを持ってくるのは海堂尊のファンサービスの一つなんだけれども、読者としてはその作戦に見事はまってしまっている感じ。剣の世…

 タナボタ!

もう10年以上も前のことか、twitterもFaceBookもブログも無かった頃、HTML言語をポチポチ入力しながらホームページを作っていた頃、デビューしたての高嶋哲夫の小説を「つまらない」と掲載したら、本人から「つまらいとか面白いとかいろいろ評価があります。…

 曙光の街

今野敏、軽いよなー。公安警察もの、とくに外事警察なんて、地味で喑の雰囲気が漂って何ぼの世界なんだけれども、これじゃあラノベ。中高生向け?様々な謎やらが明らかになっていく経過も、都合良く段取り良すぎでつまらない。その展開も先々が容易に見えて…

 県庁おもてなし課

有川浩の小説がだんだんとつまらなくなってきた。小説の中に作家が出てくる時点でネタ切れだと思う。ただし、機微な人間関係をさりげなく構築していく手法はさすがだ。そこだけは認めなければ。もう一つ、この本の印税すべてが東北大震災に寄付されるという…

 神の火

高村薫を読むのは久しぶり。この小説は平成3年の刊、20年前だ。読むのなら文庫版で。400枚ほど追加して書き込んでいる。でも、相変わらず判りにくい表現と構成。それでも我慢して読み続けるとなんとなく全体像がなんとか見えてくる。読者に優しくない小説、…

 無名

親子の関係は、こうあるべきか。自分の子育て、子供との関係、どうすると考えさせられる。著者、沢木耕太郎の父親に対する尊敬、敬意の気持ちや感情が行間からにじみ出る。有名であるなしは関係ない。私の祖父がそうだった、石仏を研究し、発掘し、スクラッ…

 妻と最後の十日間

これは辛い現実。2年前に意識不明で入院し一月間、一言も喋ることなく亡くした親父のことを思い出したり、もし妻が、自分がと置き換えたりして読む。著者はフォトジャーナリストなので、事象の切り取り方や現状判断が冷静なだけに、その文章はリアルに感じる…

 永遠の0

前評判がとても良かったのでずっと気になっていたのだが、読まずにいたもの。文庫本で600ページ弱もある。小学生の頃から月刊誌の『丸』を購読し、漫画では松本零士の戦記物、貝塚ひろし『烈風』、ちばてつや『紫電改のタカ』なんぞ愛読し、小説では豊田穣や…

 いねむり先生

いねむり先生は、色川武大=阿佐田哲也のこと。著者の伊集院静も含め崇拝する作家の一人だ。過日の「情熱大陸」での伊集院はとても良かった。録画して3回観た。ああいうオヤジになりたい。ヲレ的には、伊集院静と沢木耕太郎は精神的な感覚的では同じ所に位…

 輝く夜

震災後、相変わらず鬱屈する気分に清水を注ぎ込むような爽やかさを感じさせてくれる小説。クリスマス・イブにに起こる泣ける奇跡。チープと言えばチープであるが、そんなこと関係ない。戦争の悲惨を描いた『永遠の0』と同じ著者かと疑問に思ってしまうほど…

 春を嫌いになった理由

ちょっと書名に騙された感ある。ホラー・ミステリーのタイトルじゃないな。誉田哲也なんだから、それなりに爽やかなのか悲しいものなのか、そんなのを期待してしまうではないか。と文句垂れても、主人公の瑞希の性格が揺れ気味、終盤のオチのズルなど、そう…

 憚りながら

言っていること、もうむちゃくちゃなんだけれども、よくこれだけの人がこれだけ語ったという感じ。背景の広さは組織の巨大さ・強靱さを示す。静岡県に住むものとして馴染みのある後藤組であるが、特に中に出てくる某組織については30年も前から近所の方々み…

 東京物語、鉄のライオン

奥田英朗著『東京物語』は、1978年4月から、重松清著『鉄のライオン』(『ブルーベリー(改題)』は1981年3月からが舞台となっている。ヲレもほぼ同時期に上京し、似たような生活をした。どちらも今考えると地味にのんびりしていたけれども、ある面では熱い…

 岳

映画『岳』をレイトショーで観た。関心がないので俳優の名前とか顔、経歴などまったく判らないのだが、小栗旬という名前くらいは知っている。でも、福山雅治との区別がつかなかったりする。原作コミックはずっと読んでいた。普段から映画に原作の印象を持ち…

 木漏れ日に泳ぐ魚

細かい部分で詰めが甘いと感じるが、それでも恩田陸らしい洒落た展開がいい。じゃあ、この小説が好きかと問われれば好きだとは言えない。木洩れ日に泳ぐ魚作者: 恩田陸出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/07メディア: 単行本 クリック: 24回この商品…

 緋色のメス(上・下)

『孤高のメス』が面白かったの読み始めたが、女々しくグズグズしているので読後感が良くない。読み続けるのが若干辛い。医療小説ではないね、これ。『孤高のメス』レベルを期待しない方が良い。残念。緋色のメス〈上〉 (幻冬舎文庫)作者: 大鐘稔彦出版社/メ…

 木のいのち木のこころ<天・地・人>

いい本だなあ。文句を言うところがない。木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫)作者: 西岡常一,小川三夫,塩野米松出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/07/28メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 77回この商品を含むブログ (62件) を見る1000年後の姿を…

 作家の手紙

購入、読み始めたことが失敗だった。ヲレはこの本ダメ、つまらない。そもそもショートショートって苦手だったんだということを思い出した。作家の手紙 (角川文庫)作者: 北方 謙三,小池 真理子,他出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売…

 レインツリーの国

メールのやり取りから発展するパターンは今ではありがちで陳腐なイメージなんだけれども、そっから先が素晴らしい。有川小説では珍しく重いテーマを大切に扱っている。いや他の小説が軽くてノーテンキだと評価下げるわけではなくて、この小説に限れば読み手…

 砂漠

日々のストレスの中で癒しとして読める本。つまり、大変なこと、嫌なこと、疲れていること、そんなことを忘れさせるほど没頭できる小説。こういう本に出会えたことはとても有り難い。砂漠 (新潮文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/06…

 GO

金城一紀の著書の内、一番最後に読んだもの。悪い意味ではないが違和感を感じた。在日朝鮮人、在日韓国人っていうテーマが重たいのだけれど、しっかりと青春恋愛小説にもなっている。GO (角川文庫)作者: 金城一紀出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/06メ…