バトルシップ

基本的にエイリアン系の映画は苦手。有名どこでは『未知との遭遇』とかも観ていない(←ふるっ)。人間もそれほど信用していないが、地球以外の生物とかエイリアン的なものも信じていない。かと言って、夢見るものでもない。ヲレって実に現実的な世界に居たい偏屈な奴だと思う。

でもね、これは面白かった。冗冗などうでもいい逸話が邪魔で、登場人物が少なくせこいし、どう妥協しても歴史に残る名作にはならない。けれども馬鹿馬鹿しいくらいノー天気なアメリカ至上主義的な面白さがあるのだ。簡潔に表現をするとすれば「トランスフォーマー」の宇宙人版で、色は同じ。ゴールデンウィークに焦点あわせてのものか。

宇宙人(←こういう俗物的な表現でいいのか)が出てくるのだけれど、妙に人間くさくてせこい設定。驚いて眼を見開くところとか、攻撃されて操作パネルに触れる慌てっぷりとか。口があるのにしゃべらない、けれども殴られて歯がぽろっと落ちる。笑えるなあ。

アメリカ映画なのに、日本人がせこく活躍する。でも未だアメリカから見た日本人は中国人と区別がついていないのかとがっかりする。ああいうのって、アメリカ人が観てどう思うのか。「同盟国日本ってすげー」って感じてくれそうもない。日本人が大好きな武士道的なふうにも描かれていないし。

それよりもアメリカが描くアメリカの歴史だね。戦艦ミズーリ。正直、日本人のヲレが見てもああいうシーンはうれしい。アメリカもアナログも捨てたもんじゃないじゃないかと。けっこうその辺マニアだったヲレとしては、戦艦大和とか武蔵とかに置き換えて感情移入したよ。現実的なところでむちゃくちゃ無理があるが、そういうのはこの類いの映画に対して意見してはいけないこと。「楽しめよ」と言われるぞ、アメリカ人に。

最後にエンドロール。感覚的には5分近いだらだらと淡泊なエンドロールだったが、これも仕掛けか。ヲレが入ったスクリーンの観客の3分の2は途中で出ていったが、どうよ。観客に優しくない。とにかく続編が出ることは間違いないので、もうそれだけでウンザリしている。