国境事変

誉田哲也著『ジウ』シリーズで活躍した東警部補がムチャクチャ格好いい警察小説。公安(チヨダ)の内偵活動も描かれていて興味深い。五條瑛ほど薄暗くないが、裏の警察の陰湿さがリアルだ。

北朝鮮と在日企業の関係、違法送金問題、アメリカCIAの関与、公安警察と刑事警察との確執など、それぞれの視点で書き込まれていて読み応えがある。ただし、終末は小さくまとまりとても残念。『ジウ』シリーズのように収拾がつかなくなることを恐れたか。

誉田哲也に敬意を表して、新刊で購入。後悔はない。