段ボールハウスで見る夢
新宿ホームレスの生活を追ったルポ。新宿のホームレスは、新宿駅西口地下道に段ボールハウスを造るので、雨の心配をすることない。だから、保温とプライバシーを確保するために基本的には段ボールで囲うだけで屋根はない。
- 作者: 中村智志,〓昭
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 1998/03
- メディア: 単行本
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話があっちこっちに飛び非常にわかりにくい構成なので、文章に集中できない。取材対象も『TOKYO 0円ハウス0円生活』に出てくるような魅力もなく、ホームレスの悲惨さばかりが印象に残る。
この本は、ブックオフで105円で購入したものであるが、面白いことに本のあちこちにライン引きがされている。一般的にはそれほど有益な情報が書かれていないと思われるが、線を引かれている箇所を見ると、前所有者はホームレスなのか、それともホームレスを目指しているのではないかと疑いたくなる。例えば、
- うまくいえないけど、何か、開放感みたいなものがありました。
- 一つだけ言います。苦しいんです。ピューが。ピューってわかりますか。風ですよ。風。
- 熱湯をペットボトルに入れて何本も体に沿って配置するという。
- ここに来て変わったのは、米粒一つでも大切にするようになったことです。命ですから。
- 胃が小さくなるのです。
- うまいものが食べたいとか、金が欲しいとか、そういうこと。今は、何も考えないようにしているのです。
- 体温が26度を切ると死に至る。真冬の夜間に戸外で寝れば数時間で絶命する。
など。なんと言うか、線が引いてあるところが実用的なんだよね。粗雑なライン引きであるが、色は4種類あって何度も読んだような感じ。やっぱり前所有者が、どういう環境で本を読んでいたのか気になる。