ノーサラリーマン・ノークライ

大手銀行と合併した弱小銀行に勤めている銀行員の切ない青春サラリーマン小説。合併された方であるため、いつも辞めてやると思うくせに、歯をくいしばって頑張っているところが泣けてくる。

読み始めは、文章下手くそで読みにくいと思っていたのだが、どんどん引き込まれていく勢いがある展開が読むスピードを加速する。久しぶりに読んだ小説は、なかなか良かった。

結局、主人公はヘタレで何も進展せず終わってしまう。読み手も元気が出るわけではない。けれども読後の爽快感は、筆者の力量であろう。

ノーサラリーマン・ノークライ

ノーサラリーマン・ノークライ

著者は、「岸和田少年愚連隊」の作者なのね、知らなかった。どこかで見たことのある名前だなあと思っていたのだが。といっても、映画も小説も読んだことはないけど。