町長選挙

650円の古本。『イン・ザ・プール』、直木賞作品の『空中ブランコ』に次ぐシリーズもの。前作『空中ブランコ』から2年のブランク。

町長選挙

町長選挙

前2作が面白すぎたためか、この『町長選挙』はつまらない。大体、ナベツネホリエモンなどを題材とした作品など、登場人物のオリジナリティは当然感じられないし、安直でもある。

主人公の精神科医も当初の無邪気さだけではなく、本当に嫌なヤツにも感じられるほどダイレクトに描かれている。親しみが前2作ほど感じられない。残念、魅力が半減している。

書名となった「町長選挙」は、選挙運動に金が飛びまくるある小島の選挙を描いているが、怪文書が飛び交い誹謗中傷合戦となった某選挙とイメージがダブって真実味がある。物語は、最後うまくまとめて無難に終わっているが、このシリーズは全体的にもう十分。