イン・ザ・プール、空中ブランコ

先週、ブックオフに行った時にプロパー棚で奥田英朗の『町長選挙』という本を見つける。近くの町で町長選挙があることを思い出し、予備知識もなくこの本を購入。古本なのに650円、値段が高い。ブックオフの値付けの法則通りだ。つまり、定価の半額+50円。仕方がないか。

家に帰って調べてみると、この奥田英朗『町長選挙』は、シリーズもので、この本の前に、『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』があるではないか。『空中ブランコ』に至っては、直木賞受賞作だ。新刊書を買わなくなってから書店にも行かないので、とんと出版界に疎くなっている。

前振り長くなったが、そういうことで購入して読んだのがこの2冊。

イン・ザ・プール

イン・ザ・プール


空中ブランコ

空中ブランコ

このシリーズは、総合病院の跡取り息子で精神科医の伊良部医師が主人公になっているもの。この精神科医がとんでも無い医者で、注射フェチ、肥満でお宅、幼稚でマザコン、オタクという代物。ところが、妙な症状を持った患者の悩みを次々と解決していく。

そこには、ユーモアと暖かみ、本来人間が持っている無垢な姿を垣間見ることができる。一見、無茶苦茶だが、著者の筆力が伊良部医師の魅力を行間に漂わせる、実に面白い良書である。