アマニタ・パンセリナ

未読の中島らもの本を未だに読めるのが幸せだと思う。もうもう、新作はないのだから。この本の中で自分で言っているように、階段から転がり落ちて亡くなってしまった。いやはや、これほど読んでいてニヤニヤさせてくれる作家はなかなかないのではと思う。

アマニタ・パンセリナ

アマニタ・パンセリナ

内容は、こだわりの体験話である。目次は次のとおり。

  • 睡眠薬系統
  • シャブ
  • オピウム(阿片)
  • ヒクリさま(幻覚サボテン)
  • 咳止めシロップ
  • 毒キノコ
  • 有機溶剤
  • ハシシュ
  • 大麻
  • LSD
  • 抗うつ剤
  • クスリ話
  • ステロイド及び血液
  • ガマふたたび
  • アルコール

あの傑作『ガダラの豚』も10年間飲み続けた咳止めシロップを止めた禁断症状の中で書かれているとある。すごい。中島らもは、自らを貶めながら読む人を勇気づけてくれる。世の中の世捨て人が読んでみるべき娯楽本だと思う。説教臭くないところがステキ。
ブックオフで105円、AMPで1円。決して高くない。