フィアーズ・オブ・ウォー

タイトルがあまりにもつまらないので、期待せずに見始めたこの映画。とんでもなかった。す、素晴らしいではないか。
元海兵隊員が番組取材のため、ベトナムに訪れる。ベトナム戦争当時の記憶を探りながら思い出の地を訪れる。そこでは数々の出来事が再現され、謎が解かれ、悔い、悩む。最後は、最大の疑惑であった誤爆について事実が明かされる。
遅筆堂が昨年11月にベトナム(ホーチミン市:旧サイゴン)を訪れた時の感想は、まったく戦争の面影がないということ。戦争があったことを感じないこと。そして、この国の多くの人が戦争を経験しているはずであるが、それらを忘れ去ったような活気のある市街の様子に違和感を感じた。この映画は、遅筆堂が感じた違和感を元海兵隊員の行動などで巧みに表現している。
ベトナム戦争を題材とした多くの映画を観たが、この映画が表現するベトナム戦争は異色であるが、地味な作りをしているだけにリアルである。
タイトルがしょぼいが、目をつぶって借金してでも必ず観るべし。10円レンタルでは申し訳ない。
フィアーズ・オブ・ウォー [DVD]