食堂かたつむり

ずっと気になっていたがどうしても食指が動かず放置されていた小説。ブックオフで105円で綺麗な単行本があったので購入してみてた。購入した後も数ヶ月間、積ん読状態だった。何かしら手に取りにくい理由があったのだろうな。

食堂かたつむり

食堂かたつむり

で、読み始めてみると、意外に面白い。導入部の強引さとか、そこからの展開の予定調和的ご都合主義、いかにも作りもの感がある人物設定だが、作者の自己中心的な作風には閉口するが、それはそれとして読後感は悪くない終わり方をしている。倫子もおかんもネオコンも一貫したところがなく、偶発性によるイベントは小説技法として実に狡い。が、人生いろいろ、人は表面だけで判断してはダメってことで批判はこの辺までとしておくか。

読書メーターの感想を見ると『かもめ食堂』の方が面白いという意見が多いので、そっちに期待。