2013年11月の読書メーター

白川道の「病葉流れて」シリーズが凄い。偶然、先月、20年ぶりくらいに麻雀牌を握った。今月は、競輪グランプリの月だ。こういう小説を読むとちょっとした賭け事をしたくなる。任侠映画を観た後に肩で風切るみたいな。

 

読んだ本の数:6冊

読んだページ数:2645ページ
ナイス数:170ナイス

崩れる日なにおもう〈下〉―病葉流れて〈3〉 (幻冬舎文庫)崩れる日なにおもう〈下〉―病葉流れて〈3〉 (幻冬舎文庫)感想
これはすごい。麻雀のマニアックさもそうだが先物取引の世界にも足を突っ込み、ピカレスク振りはとどまるところがない。登場する女性も魅力的すぎて困る(笑)。それにしても読者をも緊張させる展開、著者の筆力が凄い。ページを捲る手が止まらないのだ。寝るのが惜しいと感じる一冊。最後のシーンは驚いたが、続編があることを承知している(用意してある)ので、ちょっと安心。早く先を読まねば。
読了日:11月28日 著者:白川道
消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生 (『このミス』大賞シリーズ)消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生 (『このミス』大賞シリーズ)感想
文系事務職だが、消防署の方とは随分と付き合いがある。先日も消防長以下5名の皆さんと食事をした。特殊な世界でその話は興味深い。この小説もその特殊な世界を舞台に女性消防士を加えて物語が進む。全体的には精緻な作りではないが、エンターテイメントとしては充分楽しく一気に読める。最近、涙もろいので思わず落涙するシーンもある。次作を読もうとは思わないが、こういう勢いのある作家がどんどんと出てきてもらいたい。
読了日:11月22日 著者:佐藤青南
崩れる日なにおもう〈上〉―病葉流れて〈3〉 (幻冬舎文庫)崩れる日なにおもう〈上〉―病葉流れて〈3〉 (幻冬舎文庫)感想
この巻に入ってレートも尋常では無くなったが、相手といい麻雀の内容といい随分と高度になってきたのが怖い。ギャンブルとは何か、単なる勝ち負けではなく博徒としての生き方みたいなのを描いている。素人が触れられない世界に足を踏み入れてしまった主人公。読んでいても緊張をする。おかげで新幹線乗り過ごすところだった(笑)
読了日:11月17日 著者:白川道
極北ラプソディ (朝日文庫)極北ラプソディ (朝日文庫)感想
久しぶりの海堂尊作品、面白い。いつもながら女性が素晴らしいのだよな、花房師長もしっかりしているけど控えめなところがあっていい。地方医療って、完璧を求めてもダメなんだよね。まさに医療格差なんだけれども、完璧を求めすぎると崩壊する、残念ながら。どこかで折り合いを付けなければならないという現実がうまく描かれている。今、単身赴任で私が住んでいる東北のとある地も同じ。で、速水先生、かっこいいなあ。こういう先生が欲しいって感じ、存在感あり。
読了日:11月13日 著者:海堂尊
朽ちた花びら―病葉流れて 2 (幻冬舎文庫―病葉流れて)朽ちた花びら―病葉流れて 2 (幻冬舎文庫―病葉流れて)感想
1巻よりもかなり本格的な博打小説になった。主人公が鉄人的に強くない、強くならないところがいい。地道にその世界に浸かっていく感じが独特の陰鬱さと青春の臭さがあって、その辺の描き方が素晴らしい。長男が来年、大学生になる予定(笑)、どんな風に過ごすのか。自分の大学生の時、そんなことを思いながら読み進めた。麻雀と競輪、どちらも大好きだ。愛すべきピカレスクロマン、麻雀放浪記オマージュ、読み続けたい作家の一人だ。
読了日:11月5日 著者:白川道
マリアビートル (角川文庫)マリアビートル (角川文庫)感想
東北新幹線で東京福島を往復しながら読む。時間的な感覚がある方が愉しめるかもしれないが、まあ、仙台に住む伊坂幸太郎独特のお遊びかなとも感じる。他の作品のように感動はない。グラスホッパーと絡めて巧く作ってあると思うが、凝り過ぎか。王子のキャラがあまりにも好きではないのでイライラが。まあ、そういう徹底した嫌われ設定がステキではあるが。
読了日:11月5日 著者:伊坂幸太郎