入学式でのPTA会長挨拶、こんなものか。

年度が替わったのでPTA会長の任期は既に終わっているのだが、PTA総会までは前年度の会長が入学式の挨拶をすることになっている。まだ長女が在学しているのでそれほど違和感がないのだが、まあ、仕方がない。決め事だ。

卒業式でもそうだったが、実際にこの目で被災地を見てしまったので、心情的にどうしても震災のことに触れざるを得ない。遠く離れたこの地でも被災地のことを意識をしていくことが必要と思っている。新入生には直接関係ないし、おめでたい式典に如何なものかという意見があるかもしれない。だから、「君たちは被災者に比べて幸せだから頑張らなければならない、もっと支援をしよう」みたいな善意の押しつけにならないように配慮したつもりだ。今日、数人の保護者に良かったと言われた。有り難いことだ。もう、一生、こういう機会はないだろう。貴重な体験をした。感謝しなければならない。

新入生の皆さん、本日は、ご入学おめでとうございます。

君たちは、今日からこの×××中学校で、新しい制服と新しい教科書、4つの小学校からの仲間と共に、勉強や部活動に励むことになります。新たな友達が沢山できることでしょう。多くのことを学び、多くの汗を流すことでしょう。新たな出発と新たな世界。未知なる希望を胸に抱きながら、全力で中学校生活を過ごして戴きたいと思います。

しかしながら、この日本では、皆さんもご存じのとおり、かつて無い大きな課題に立ち向かっているところです。作家の村上龍さんは、今回の震災について、「大地震と津波は多くの生命と財産を奪った。しかし、繁栄に心を奪われていた私たちは、希望の種を再びまいた。私は信じることを選ぶ。」と述べています。

君たちは、幸いにしてこのような震災には遭われていませんが、ここにおられるお家の方、地域の方、先生方、私たちの希望の種です。そして、だれもが君たちを信じています。これからの三年間、皆さんが、知識の泉から清らかな水をたっぷりと吸収し、大きく枝を伸ばし、そして太い幹となり、立派な大樹となられるようお祈りしています。

そして、保護者の皆様、子供たちの健やかな成長をやさしく見守って下さい。過日、私は、卒業式にも参加させて戴きました。あのかわいらしい子供たちが、あっという間に成長し、胸を張って卒業していく姿に感動を覚えました。心も体も大きく成長する時です。二度とないこの時を、子供たちと一緒に共感して戴きたいと思います。

以上、簡単ではございますが、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。本日は、おめでとうございます。

伝わっただろうか。

ちなみに、PTAの挨拶で私が気をつかったところも書いておこうか。

  • お父さん、お母さんという言葉は使わない。
  • 父兄という言葉も使わない。
  • 必ずしも幸せな家庭ばかりではないと意識しながら起草する。
  • 善意の押しつけにならないように配慮する。
  • 今回については、被災地からの転校・転入が無いことを事前に学校に確認した。
  • 短く、簡潔に話をする。(来賓3人の内で一番短かったよ)
  • PTA事業について、述べない。

かな。