瞳の奥の秘密

浜松 CINEMA e-ra にて観る。いやー、映画『瞳の奥の秘密』、素晴らしいではないか。文句なしに映画の醍醐味を味わうことができる。同居人が仕事をしている間に、子供達に1000円渡して夕食は勝手に食べろと家事放棄をして一人で観に行くだけの価値はある。映画に関しては、新年早々、幸先の良いスタートだ。

まあ、素晴らしいのは当然で、2009年アカデミー賞最優秀外国語映画賞受賞、アルゼンチン・アカデミー賞13部門受賞なんだよね。アルゼンチン映画なんて初めて観たが、最高級に美しいエンターテイメント。借金をしても観るべき。

アルゼンチンの映画なので、スペイン語で、地名も登場人物の名前も聞き慣れず、政治情勢や社会の仕組みなども皆目わからない中で見始めたので、ストーリーをどこまで把握できるかと心配であったが、いやいや2時間9分、目も離すこともなく映像に集中して物語に入り込むことができた。

もう一度観てみなければすべてが判らないが、ものすごい数の伏線や仕掛けがあり、それらを少しずつさりげなく、ひっくり返しながら、最後の最後まで回収しつつ解きつつ展開する作り込みの深さに感動する。しかも、嫌み無くすべての登場人物の人生を語り、最後の最後にきれいに終局させる。細部の演出にも妥協はない。もう語り尽くせないこの感動を理解して貰うには、観ていただくしかない。説明が付かない完成度には、言葉は不要。

ちなみに今回、不退転の覚悟で浜松CINEMA e-raの年間会員に入会した。10000円の元が取れるか判らないが、この映画が観られただけでも十分な満足感が得られるよ。そう考えたい。