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久しぶりの五條瑛の小説。五條瑛は、ここ数年まったく食指が動かない高村薫ばりの骨太、細部まで緻密に描ききる作家として以前から注目している。特にエスピオナージものを書かせれば、地味だけど天下一品。

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この『J』もタイトルも装丁も帯のコピーも今ひとつで目立たないのだが、読んでみれば一気読み。非合法組織・活動の陰湿さと飽食の日本に対する批判がよく描かれている。テーマの割には、読後感も良い。

ISBN13桁の新しい本なのだが、あまりにも地味で売れそうもないと思われたのかブックオフ105円棚に落ちていたので確保しておいたもの。もっともヲレも積ん読状態で半年くらいほっておいたなあ。