パチスロひとり旅
647万円の借金を抱え、家を捨て、パチスロ旅打ちを始めた著者の記録。車で全国を移動し、その月に儲かった分をサラ金の借金に充てるというシリアスなものだ。400ページ、ブックオフ105円。
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著者は、基本的にだらしない。寝坊ばかりするし、直ぐに誘惑に負ける。けれども、パチスロに向かう姿勢は真剣だ。延々と日記に書かれる今日は負けた、勝った、○○円取り戻した、溶けた、飲み込まれる・・・は、生々しい。
放浪、旅打ちを初めて2年後からは、先々からHPで日記を掲載し始める。これをきっかけに雑誌などにも連載が始まるのだが、とたんにつまらなくなる。読者を意識した文体がリアル体験なのに嘘っぽくなってしまうからだ。
10年の放浪の果てには借金を返済し、結婚をし、住みかを得る。ますます、つまらなくなる。本人も意欲がなくなり、投げやりになり、負け続ける。やっぱり、退路が絶たれたときの行動っていうのが面白いのだよね、外から見ている分には。
ちなみに、ヲレはパチンコ、パチスロはやらない。というよりも好きではない、嫌いだ。魅力を感じない。だからこの本を読んでいても機種・ルール・テクニカルな部分はまったく判らない。けれども、生の現金が見え隠れする生々しさに魅力を感じるのだ。好き嫌いはあるものの、ギャンブルが醸し出すフェロモンは同じなんだよね。