父子鷹 子母沢寛著 新潮文庫

鳶が鷹を生んだで有名な勝小吉・麟太郎(後の勝海舟)親子の幕末物。主に小吉が魅力的に描かれている。単に資料に裏付された歴史小説というよりも、もっと人情味に溢れ暖かく仄々としたふうに、そしてあまり描かれることの無い小吉を主眼に置いているのが好ましい。子母沢寛はこの作品で菊池寛賞を授賞し、映画化も舞台化もされている。良質の時代小説。お薦め度:90/100