ケースオフィサー

外事警察』のおかげでインテリジェンス・モードに入ってしまっているヲレだが、この麻生幾著『ケースオフィサー』は、かなり前に購入したモノ。新型インフルエンザに罹患したおかげで時間が取れたので、読み始めたってこと。

まず、バイオテロって怖えー。この小説では厳密にはバイオテロは行われなかったのだけれど、天然痘ウイルスは都内を中心に広がった。その様子は、あの襟がでかい木村盛世が『厚生労働省崩壊』で職場の環境を愚痴りながらも訴えたことを思い出す。

この小説の賛否はいろいろで、麻生幾に慣れてしまったヲレにとっては不完全な所も含めて楽しめたのだけど、そうでなければ読み進めるのに苦痛になる人もいるだろうというところ。

特にバイオテロが本当に怖いなと感じた大きな理由は、今回、新型インフルエンザに感染した状態で読んだから。だって、どこで感染したのかまったく判らないのだよ。

新型インフルエンザは最大4日間の潜伏期間だというので、ほぼ日手帳を見ながら思い起こすのだけれど、ヲレの周りには明らかな罹患者は居なかった。人混みではマスクもしたし、ポケットには携帯用の手指消毒剤(速乾性アルコールジェル)を持ってシコシコもしていた。それでも感染した。

でもね、新型インフルエンザだったから良かったわけで、これが天然痘ウイルスだったらどうよ。この小説のようにロシアで培養された遺伝子改変ウイルスだったらどうよ。まじ怖い。リアルに描かれている感染の様子が、ヲレにとっては激しく生々しかった。あー、今日は悪い夢見そう。