本は貸してはダメな理由、そして『浮上せよと活字は言う』

最近、判っていたけど失敗したことがある。それは、本を貸したことだ。本は貸してはならないと、随分と前から心に誓い、ずっと守ってきたけど、ここ数ヶ月で3冊の本を貸して、2冊が戻ってこない。もう1冊も何となく返ってきたという感じ。

  • 『ハリーポッター』

ハリーポッターのシリーズは読んだことがないけど、息子が読みたがっていたので全巻買い与えた。同僚が読みたいというので、息子に話をして4〜5冊を貸した。もう3ヶ月も経つかな。同僚は、事情があって仕事を休んでいる。

この同僚は、普段から本は読んでいる様子。けれどもケチだから図書館で借りて読んでいるようだ。自分では買わない。この点が不安だったのだが、ちょっと気を許して貸してしまった。

  • 『日本一大切にしたい会社』

坂本光司著、売れている。Amazonランキング、本の部で110位。後輩にヲレが薦めて貸したのだが、もう二週間ほど経つだろうか。普段は本を読まない後輩だが、素直でいい子なので、ちょっと気が緩んだ。返さないことはないだろうが。

  • 『俺は、中小企業のおやじ』

スズキの会長兼社長である鈴木修著。まだ発売されて、1ヶ月も経っていない。ヲレも読んでない。Amazonから送られた箱に入ったままで保存がしてあったのだが、我が社のボスが直ぐに読みたいというので貸してくれと秘書から依頼があり、急遽、貸し出すことになった。4〜5日経って、秘書から返ってきた。ボスからのお礼はない。というか、そういうものを期待をしているわけではないが、本を単なるモノとして取り扱われたようで、これは残念。

この3人、皆、悪気があってのことではないことは判っている。つまり、ちょっと忙しくてまだ読む時間が無い、少しずつ読んでいるのだけれど、読み終わったのだけれど会う機会がないなあ、本は本だから気持ちなんて(ちょっとボールペン貸して!みたいな感覚)なんだろう。

要するに、ヲレは他人に本を貸しては駄目なのだ。図書館などで借りて勝手に読むことは否定しない。けれども個人から借りるなよ!いや、そんなことを言っても上記の様な人々には判らないだろう。本に愛着を感じている人がいるということがだ。

ヲレも、決して本を箱入り娘のようには扱っているばかりなのではない。寝転んで読むし、風呂の中でも読む。読み終わったら、本棚に放り込むだけ。でもね、自分が読んだ本がいつでも手元にあって、それがいつでも手にとって確認することができる状態にあるということが、ヲレの荒んだ気持ちに安心感をもたらしているのだよ。

だから、そんな自分の魂の一部のような本を貸しては駄目なのだ。もう貸さない。絶対、貸さない。裏を返せば、本は買って読む。再度、心に誓う。

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