トヨタの正体

日本一ではなく世界一の企業になりつつあるトヨタの批判本。

物の見方は様々で、表と裏、上と下、それぞれ形も色も違うことはよくあることだ。トヨタの表面的な華やかさは、裏から見ればくすんでいるかもしれない。しかし、どちらが正しいかはそう簡単に結論はでないもの。

この本は、すべてを裏から見ようとしているため、すべてが批判的だ。良いとされている部分はすべて否定していく。残念ながら信頼性が薄い。もちろん事実もあろう。でも、相対評価がされていない。ホンダは?日産は?スズキは?・・・トヨタの裏だけを抜き取って批判をすることは平等ではない。

佐高信徳大寺有恒の対談の最後の部分。

(徳大寺)自動車会社というのは実は人々の生活に非常に密着しているものですから、人々の生活をどういうふうに変えていくのだというビジョンが必要なのです。そのビジョンが日本の自動車会社にはない。
(佐高)結局、トヨタが変わらなければ日本が変わらないということですね。恐ろしい話です。本日は、ありがとうごうざいました。

おいおい、徳大寺は、「トヨタ」ではなく「自動車会社」全般について批判しているのに、佐高は、「結局、トヨタが」と、「自動車会社」を「トヨタ」にすり替えて「恐ろしい話です」と結論づけてしまっている。この類の本は、話半分で読まないと惑わされる。