福島県南相馬市のこと

過日、東北に行った時(仙台市泊)には、被災地である福島県南相馬市と宮城県東松山市の状況を見てきたが、今回は、南相馬市を取り上げてみる。

福島県南相馬市は、「地震、津波、原発事故、風評被害」の4重苦だと言われているが、まさにそのとおりで状況は複雑。この防波堤であるが、南相馬市小高地区の海岸線。多くの住宅が飲み込まれている。津波によって見るも無惨に破壊されているが、構造として基礎が根入れされていないもので、工法として若干の疑問があるところ。それにしても津波の破壊力は凄い。

辛うじて助かったお堂。この高さまで津波が押し寄せたということであるが、20メートルくらいか。信じられない。

お堂の所から前出の防波堤の方を眺めたところ。建物の基礎が残り、集落があったことが窺える。この目の前を津波が通り過ぎたことを想像すると恐ろしい。

1キロほど内陸に入ったところだが、ここも何も残っていない。電信柱は、震災後に新たに立てられたもの。こんな風景が延々と続く。

国道6号線上で小高地区の最も福島第一原発寄り(浪江町側)、つまり10キロ圏との境界。この先は立入禁止となっていて、警察が検問所を設けている。小高地区も20キロ圏ということで平成24年4月まで警戒区域に指定されていたが解除され避難指示解除準備区域等となり、今は入れるようになった区域。

小さな駅。まったく人気のないのは不気味。

誰も利用しない駅なのに自販機がそのまま。

もう2年も放置されたままの学生の自転車。朝、ここに駐輪しJRで学校に通い、地震と津波で避難。その日のうちに原発制御不能に陥り、また避難、避難でもう2年も戻れずそのまま。慌てふためいて逃げ惑った証のような自転車置き場なんだよな。

小高市内の「菓詩工房わななべ」の店頭に掲げている黒板。ほんとこういう気持ちで頑張られている方がたくさんいる。残念ながら、原発に反対するのはかまわないが、被災地以外に住む人がこういう人たちの気持ちを踏みにじるようなtweetや発言をするのを時々みかける。この人達には責任はないのだよ、希望まで奪い取らないでもらいたい。