薩摩のあくまき

鹿児島県南九州市の友人から「あくまき」を食べるよう薦められた。なんじゃそれと謎のままいたら、その友人がわざわざ宅急便で送ってくれた。ほんとうに有り難いことだ。

まず静岡県民的には「あくまき」と聞いて音的な第一印象は「悪魔が来たりて笛を吹く」なんだよね。なんとなく怖い。名前から商品イメージが浮かばない。

送られてきたのがこれ。梅木商店さんのもの。子供たちが恐る恐る指で突っついている。「薩摩のあくまき」とある。調べてみれば、「あく」は餅米を灰汁で煮込むから「灰汁」で、「まき」は竹の皮で巻いてあるから「巻き」らしい。(←正確では無いかもしれない)

商品パッケージのビニールを剥いた状態でも、パンパンに膨らんでいる。

竹の皮を剥いてみる。想像以上にベトベトン。もの凄い粘着力、クラゲ、あるいは樹液、あるいはボンドの塊みたいだ。子供たちが若干引いている。思ったよりも瑞々しくテカテカしている。

ペティナイフで1センチ幅で切ってみるが、粘着力が強くてうまく切れない。柔らかいので手で押さえると形が崩れるし、指先への軟体物質のくっつきようがかなりしつこい。なんだか、とてもややこしくて面倒な食べ物だ。付属の砂糖きな粉を振りかける。

食べてみる。家族の目線がヲレに向けられたので、一口目はヲレが代表。フォークで竹の皮から引っぱがす感じ。軟体物質本体には味がない。イメージは、茶色のわらび餅。砂糖きな粉を大量に掛けるとさっぱりしていて美味しい。長男が次から次へとパクつく。気に入ったようだ。

パッケージには餅菓子と記載されていたが、まあ主食にはなり得ないので、やっぱり菓子だな。端午の節句の祝菓子のようで、季節ものか。鹿児島の菓子と言えば、かるかんを思い出すが、これはかなり特殊。見かけたら話の種に食べてみると良い。意外に美味しいよ。