夕焼け、百億の昼と千億の夜

都会(浜松市内)の夕焼けも悪くない。

乱立するビルや雑然とする店舗も家屋も、極悪な電柱や電線も闇の中に埋没する。

空の色彩だけが目立つようになる。

刻々と変化する夕焼け空は慌ただしい。

職場から長男が通う高校を眺める。昼から夜に変わる瞬間。萩尾望都が漫画化した『百億の昼と千億の夜』という光瀬龍の小説があったことを思い出す。まあ、この小説の内容とは関係ないが、昼と夜の区別がされる世界でよかったと思う。昼だけ、夜だけみたいな変化のない日常には耐えられない。この時間が醸し出す雰囲気から、家族団らん、夕食、NHKのニュース、静けさ涼しさという平凡な家庭の風景、キーワードが思い浮かぶ。

悪くない。