2012年5月の読書メーター

5月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2504ページ
ナイス数:263ナイス

重松清を中心に読んでいる。初期の重松小説は、どんよりと暗く、重く、生々しい。やはり、年齢の差であろうか。読者の年齢、著者の年齢、それぞれの子供や妻の年齢、年上、年下、経験・・・の違い、特に重松清と同じ歳に生まれたヲレとしては、同じ時代を生きている。不思議な感覚だ。

希望の地図希望の地図
東日本大震災を題材とした重松清の小説であるが、実につまらない。総花的でリアルであるはずの東日本大震災が安っぽい作り物になってしまっている。あの震災については、感動の押しつけはいらない。著者が本当に現地を訪れルポしたのであれば、小説でなく発表したほうが良かったのでは。高嶋哲夫『震災キャラバン』もそうなんだけれども、被災地に気を使おうとすればするほど嘘っぽくなる。そうではないだろう、被災地は生の状況を知ってもらいたいと思うし、それにどう感じるかは読者にゆだねるべきではないか。諄いが、感動の押しつけは必要ない。
読了日:05月31日 著者:重松 清
BILLY BAT(9) (モーニング KC)BILLY BAT(9) (モーニング KC)
この巻では、以前の話と絡んで少しずつ整合性をとりつつ、先に進んでいるようだ。どこまで回収できるのか今後の展開に期待するところで、終話となったらもう一度読み返さないと、正直、わけがわからない。どんな形でまとまるのか興味津々。それにしても、光森村・・・怖い。
読了日:05月27日 著者:浦沢 直樹,長崎 尚志
舟を編む舟を編む
辞書にまつわる小説であるが、なんというか不思議な味がある。辞書の編纂についての所は実に興味深いが、それに加えて甘々なところもたっぷりあるし、生と死、生き甲斐とは見たいなテーマも見え隠れする。総じて楽しく素敵な小説に仕上がっているが、あえて書けば総花的で深い感動もない。展開も予定調和的で驚きもない。装丁は、カバーは素晴らしいがそれを外せば、えっ、このアニメチックなのは何?みたいな軽さ、違和感を感じる。辞書編纂部分に特化したマニアックなものにするか、それとも青春あるいはサクセスストーリにするかの方が良かね?
読了日:05月26日 著者:三浦 しをん
かあちゃん (講談社文庫)かあちゃん (講談社文庫)
罪とは何か、立場が違えば見方も見え方も変わる。いろいろ考えさせられる展開は、小説としての読み応えだけではなく得ることが多い。どのかあちゃんも素晴らしい。ヲレはと言えば、母の日が過ぎてからこの本を読み始めたいう後ろ向きな人間で、素直ではない。でも、誰にも存在する母親を見直してみる切っ掛けになる小説だと思う。重松清の優しさがあふれる。
読了日:05月23日 著者:重松 清
伝え上手な患者になる! ──「医者と何を話してよいかわからない」あなたへ【便利な3つの「気持ち伝達シート」つき】伝え上手な患者になる! ──「医者と何を話してよいかわからない」あなたへ【便利な3つの「気持ち伝達シート」つき】
献本として戴いたもの、ありがとうございました。簡潔で判りやすい内容でした。私も狭心症とか動脈瘤とか、なかなかヘビーなものを抱えていますので、定期的に病院に掛かります。初診の時は、ワープロで経緯なども書き出して持って行くこともあります。人間ドック記録、お薬手帳など、いつも用意しています。この本で2点、誤りだと思う記載があります。1点目は、P96の良い健康食品の条件の2番目「テレビ・新聞・雑誌などのお墨付き」は危険です。茶のしずく石けんは、たくさんの被害者を出しました。(コメントに続く)
読了日:05月14日 著者:平松 類
見張り塔からずっと (新潮文庫)見張り塔からずっと (新潮文庫)
我が家は大丈夫かと心配になる。たまには、この位の感想でもいいじゃないか。ぐらぐら揺れ過ぎで、もう読んでいられない。仲良く楽しく過ごそうよ、という平和主義者です、私。
読了日:05月13日 著者:重松 清
舞姫通信 (新潮文庫)舞姫通信 (新潮文庫)
辛くて後味も良くない小説。後の重松清の小説とは一線を画す。なぜなら、後のものは、最後には希望が垣間見えさせてくれるものが多い。そこは著者の優しさだと思っている。でもこの『舞姫通信』は、どうにも辛い。非常階段から飛び降りるシーンは、他の小説でも似たようなシチュエーションでもあったと思うが、かなりそこには思い入れがあるようだ。小説という形で世に出たが、もうこれは著者自身では無ければ本当のところがわからないのかもしれない。でもこう考える。若い時に書かれたこの小説があるから、今の重松清があるのだと。だから否定しな
読了日:05月12日 著者:重松 清
救命―東日本大震災、医師たちの奮闘救命―東日本大震災、医師たちの奮闘
思うところあって、この類いの本ばかり読んでいるが、どの本もそうだが、この本に書かれていることも大切で貴重な知見ばかりである。この本の問題であるが、やはり海堂尊を全面に出している売り方というか商法。海堂尊は作家として大好きであるが、一体この本で彼が何をしたのか?何もしていない。ぐずらんとAiの話題を最後にちょろり。騙され感あり。インタビュー形式であるけれども、もう少し校正したらと思う。あまりにも語り口調過ぎて、ちょっとという表現が散見。それから被災地で奮闘したのは医者だけではない、その点も言っておきたい。
読了日:05月05日 著者:
ほぼ日手帳公式ガイドブック2012 どの日も、どの日も、大切な日。ほぼ日手帳公式ガイドブック2012 どの日も、どの日も、大切な日。
この類いの本を読んでも、結局自分の役に立たないことが多いわけで、それは判っているけれども、ついつい読んでしまうのが手帳好きというか、この類いに萌えてしまう悲しい性と嗜好なんで、これはもう仕方が無いと諦め気味の中年オヤジの思考停止パターンであるが、そもそも皆さんの使い方を見て感心して刺激されても、現状を変える意欲が無いというか、それなりに今まで試行錯誤してきたものをそう簡単に変えるほどの刺激を受けないわけで、自分に確たる信念があれば変える必要が無いということ。(『火垂るの墓』風に句読点を無くしてみたがヘタ)
読了日:05月05日 著者:
四十回のまばたき (幻冬舎文庫)四十回のまばたき (幻冬舎文庫)
後の重松清から想像ができない大人の小説。29歳でこんなことを考えていたのかと、驚きでもある。アメリカ人の偽物作家がいいですね、こんな奴、もしかしているかもしれない。全体的にどんよりとしているが、悪くない。やっぱり重松小説は素晴らしい。
読了日:05月03日 著者:重松 清

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