県庁おもてなし課

有川浩の小説がだんだんとつまらなくなってきた。小説の中に作家が出てくる時点でネタ切れだと思う。

ただし、機微な人間関係をさりげなく構築していく手法はさすがだ。そこだけは認めなければ。もう一つ、この本の印税すべてが東北大震災に寄付されるということ。なかなか出来ることではない。感謝しなければならない。だから、この本は、購入して読もう!

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それはそれとして、いかにも安直だなあと感じられるテーマ設定。リアルじゃない。これが県庁の雰囲気だと読者が感じたのであればそれはまやかしだよと言ってあげたい。もっとくだらないし、こんなアットホームでもない。組織が巨大である上に県民との接点が少ないために、役所体質であることはこんなものではない。

想像するに、この視点は所詮非公務員からの視点であって、変化を求めやる気のある公務員が書くのであれば、まったく違う小説になると思う。役人の中にはもの凄い人がいるのは事実で、その人達がどうやってあのシステムの中で物事を変えていくとなると、間違いなくこんなドラマチックな展開にはならない(ただし、たぶんつまらない)。その点が、最初に書いたリアルに感じられない部分。

以前、ヒットして映画化もされた『県庁の星』もそうだし、市役所勤務の地方公務員が主人公であった萩原浩著『メリーゴーランド』もそうかな。なーんかリアルじゃない。話がどんどんずれていくが、公務員出身の作家でもっとも面白いのは、新田次郎か。この人、最後まで二足のわらじ。

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