GO

金城一紀の著書の内、一番最後に読んだもの。悪い意味ではないが違和感を感じた。在日朝鮮人、在日韓国人っていうテーマが重たいのだけれど、しっかりと青春恋愛小説にもなっている。

GO (角川文庫)

GO (角川文庫)

相変わらず巧みな会話と展開、小説的な魅力はもちろんだが、国家とは何かみたいな大きな主題が旨く描かれて勉強にもなる。冒頭の「名前ってなに?」という問いかけが、最後まで重くのしかかる。 もう一つは、こういう家族の在り方っていうのも有りかな、みたいな素晴らしい家庭が描かれている。

金城小説は、機微な人間関係をじっくりと作り込むのが特徴的であるが、この作品もその例外ではない。 もっと、砂浜で一つキラリと輝く宝石のような金城小説を読みたい。