外事警察

今年の10月下旬、警視庁公安部のテロ関連情報が流出した。尖閣諸島のビデオ流出で大騒ぎとなったことにより忘れ去られてしまっているが、実は尖閣問題よりも大きな問題である。なぜなら、流出した内容がまさに国家機密情報、尖閣ビデオとは問題にならないレベル。具体的には、公安テロ対策班の名簿・経歴書や組織図、非常時の連携と指示の流れ及び対応指示、海外の類似組織との連携の考え方、国内要観察者リスト、その行動報告、事情調書、アジトや潜伏の可能性のある場所、それらの監視報告などで、日本の公安に対する信頼を全く失ってしまうレベルなのだ。

で、麻生幾著『外事警察』なんだけど、こういうのを読むと、今回の公安機密情報が流出したことの重要性がよくわかる。サード・パーティー・ルールってなんだとかね。

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NHKの同書を原作としたドラマも実に良くできていて、両方を観て読んでもらいたいが、おそらく普通の生活をしている分には全く関係ないと思っている我々普通の人も、すべてが真実じゃないかもしれないがこのようなことが行われているということを日本国民として知っておくべきことかもしれない。平和というものは、実はとても危ういところのバランスで保たれているということが何となく理解できる。

なお、NHKのドラマは、この本とはかなりストーリが異なる。続編を見たいよー。