インビクタス

映画館の無料招待状があったので、観てきたよ『インビクタス 負けざる者たち』を。とっても良くできている。まずはクリント・イーストウッド本人が出演していないのがいい。『グラン・トリノ』のイーストウッドは認めるけど、やっぱり『ガントレット』『ダーティー・ハリー』の印象が強く、ストーリへの感情移入力が弱まってしまう。

もう高齢なのだから、監督業に専念するのが良い。

その点、モーガン・フリーマンは、この映画、マンデラ大統領を演じるためにこれまでの経歴があったのではと思えるほど素晴らしい。72歳、その人間性が滲み出るような演技は秀逸だ。

スポーツ根性物語ではない。イーストウッドは、チームの内情など全然描くつもりはなく、いきなり試合に突入。非常にわかりやすい。ラグビーが主役ではないのだぞ、との主張がよく判る。

今の日本には、こういう力が欲しいのだよね。一体感というか、真の変革を求める情熱というか、強いリーダーシップ、許すことができる鷹揚さなど。映画を見終わった後のなんとも言えない期待感は、殺伐としたこの世相の中では貴重である。万人に勧められる映画だ。