この世でいちばん大事な「カネ」の話
西原理恵子の本。中学生以上を対象とした「よりみちパン!セ」シリーズの一つとして出版された本なので、大きな字で漢字にはふりがなが振ってある。が、子供だけではなく、多くの大人も読むべきではないかと素直に感じた素晴らしいメッセージがたくさん詰まっている。
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挿絵は多少入っているが、漫画ではない。サイバラの文章で目的を持った主張がわかりやすく書かれている名著だ。
↑Panasonic LUMIX の「顔認識」機能が働いた!
『勝間和代の日本を変えよう』で勝間和代とサイバラが対談をしているが、間違いなくサイバラのメッセージの方が強く心に響いた。この違いは、マッキンゼー、JPモルガン証券を渡り歩いてきた上から目線の勝間和代と、どん底から這い上がり生のカネを掴んできたサイバラとの差であろう。多くの庶民がサイバラに共感するのは、サイバラが語るカネには、お札に染み込んだカネの臭いまで感じられるリアルさがあるからだ。
もう一つ。この本を読んでみて勝間和代との違いを感じたところ。それは、サイバラの口調は雑で激しいが、でも読者に対して優しい。それぞれの立ち位置と表現力の違いがこの差を生むのだろうけど、そんなところにもサイバラには共感させられる。優しさがこの本の根底にある。しつこいが、涙が出るほど優しいのだ。
大切にしたい一冊と思って読んでいたが、最後の最後に「どん兵衛べっぴんうどん」の汁でびしょびしょになってしまったよ。激しく悲しい。
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