静岡県民の雪かき(かき初め)顛末記

朝起きて、窓を見るとこれ、寝室が寒いはずだ。なんかすげー。

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期待して、窓開けてみると・・・。

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おー、何これ、虫だ、虫だ。完全に埋まっている。

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映画『八甲田山』で立ったまま氷柱になってしまった兵隊さんを思い出す。それにしても、どうしていいのか判らない。

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おばさん(多分、アパートの住人)が通路を作り始める。スコップで掘って足で踏み固めている。手伝わなければいけないと思うが、ヲレにはペンチとドライバーしかない。想定外の積雪に、静岡県民はあまりにも無力過ぎる。

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待っていても融けそうもないし食料の買い出しにも行かなければならないので、歩いてホームセンターに行く。歩道は40センチ以上積もっていて膝までの長靴を履いても歩けないで車道を歩く。まだ車の通行量も多くないので、時々後ろ見て車を避けながらガシガシ歩き、汗だくだく状態で雪かきスコップ(プラスチック製の軽いやつ)を購入。レジの前で「みなさん、考えることは同じですねえ」と同じ雪かきを持った若い男性に声を掛けられる。同じように困っている人もいるんだと判って安心。

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午後は、静岡県民、初めての雪かき(以下「かき初め」という。)。午前中の内にアパートの住人が道路までの一部を啓開してくれてあったので、私は愛車を動かせるよう周りの雪を掻き出しを試みる。この状態からスタート。

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まずは脇から攻める。黙々と1時間半、普段使わない筋肉をふんだんに使用する、明日の筋肉痛・・・確定。始めるのが遅かったので雪が固まりつつあり融けた水分がたっぷりで重いし、凍りかけた雪は硬いしで、マジ疲れた。雪かきは、新雪時にやったほうが楽だと体験で知る。スコップも金属製のが必要だ。

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使用後。雪かきって草取りと同じで、一度始めると徹底的にやり遂げたくなる。疲れたー。難聴でも雪かきはできることを証明する。

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雪かき疲れて一寝入りし超怠くなったが、夕方、食料の買い出し出る。そのために雪かきをしたんだ。この時点で、南相馬市内で安心して走れるのは国道6号だけ、完璧な除雪がしてある。それ以外の道路はどこも最悪。15センチくらいの轍ができ、グシャグシャの水気を含んだ雪がどこもかしこも大量に残っている。駅前とか市役所前の大きな道路や交差点も除雪がされておらず、カオス。正直、外に出たことをかなり後悔した。それでも無事に帰ってこれたのは、まあ、あれだ、助け合いとか思いやりとか。結局、この状態で交通事故を起こさないためにはマナーしかない。車間距離を空ける、スピードを出さない、割り込みをしない、もう皆さん、お互い様で運転している。

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雪かきも同じ。誰が声かけるでもなく外に出てきてそれぞれが汗流している。知らない間にアパートの入り口付近にも歩行用通路が啓開されていた。あちこちから聞こえるガリガリッという雪かきの音が優しく感じる。この音、忘れないだろうな。このアパートに住み始めて10ヶ月、初めて他の住人と自然に話をした。こういう共同作業を「結い」というのか。東北に行ったではなく、東北に住んだと感じた一日。ちなみに地元の方に聞いたら「こんな大雪は子供の頃以来、ン十年ぶりのレベルだよ」とのこと。風邪、しゃっくり、難聴、大雪、除雪、筋肉痛・・・何かオレ悪いことしたっけ。