常磐線に乗ってみる、そして思うこと。

アパートから歩いて10分のところにJR常磐線原ノ町駅がある。せっかくなので常磐線に乗ってみた。

南相馬市にはJR常磐線の駅が5つある。鉄道がない地域に住む者からみるとうらやましい限りであるが、現在は、この5つの駅の内、原ノ町駅と鹿島駅しか駅として機能していない。桃内駅、小高駅、磐城太田駅は、東日本大震災及び福島第一原発による旧警戒区域内に当たり、この間(というよりも原ノ町から広野駅まで)は運行をしてない。

こんなに立派な駅なのにその機能がほとんど活かされていないのは悲しいことだ。鉄道については詳しくないので適当に述べてみるが、線路上に控えている車両は「スーパーひたち」か。顔面がかっこいい。

駅前も整備されている。震災前は、日1500人が利用していたという。

小高、浪江、双葉、いわき方面には運行していないので、原ノ町駅からは、相馬駅までの下りしかない。その先は津波による被災により復旧の見通し不明。利用者が少ないのでダイヤも非常に寂しい。これも昨日の図書館と同じで利用者が増えないと本数も増えないのか。原発事故により高校生が通学に通うことがなくなったことも大きい。被爆を恐れ、南相馬市から遠くに避難しており、駅の通学利用も少ないということ。もちろん南相馬市内への高校へ通ってくる学生はもっと少ないのだろう。図書館にも駅にも学生がいないのは不思議というか異常である。

この板を見るまで、「原町駅」だと思っていた。「原ノ町駅」なのね。

なんという車両なのか、その筋の人ではないので不明。2両編成。ドアは、ボタンを押して開け閉めする。

車内に。震災以降に貼られたものだと思うが、こういうところが津波被災がリアルに感じられる部分。被災地なんだな。

土曜日だからであろうか、乗客は少ない。それでも走らせなければ復興に繋がらない。インフラから復旧をしていかなければ人は戻ってこない。

鹿島駅で降りたのは、ヲレともう一人だけ。ほぼ無人駅に近い。Suicaのタッチパネルはこれ、初めて見た。そのまま通り抜けが出来そうな気がする。原ノ町駅・鹿島駅間は7.5キロメートル、片道190円。約5分でさすがに早いな、鉄道。

仙台まで開通すれば、仕事や通学への利用が増える。しかしながら、そのためにやらなければならない復興事業は膨大な量がある。今はその復興事業を担う人材不足、人員不足に陥っている。スピード感を持ってやらなければならないのだが、一人の人間が出来ることには限界がある。被災地に来て、お金だけではなく人的パワーを被災地に向ける必要があるとつくづく感じる。

被災地は全く進んでいないというイメージを被災地以外から見れば持つかも知れないが、遅々としているが進んでいる。ただし、その進み方が遅いだけ。頑張ろうと言うだけでは進まない。物資を送るだけでも進まない(というか物資援助は、それほど必要とされていない)。がらがらの常磐線に揺られながら、支援の在り方をもっと考えるべきだなと思ったところ。