吾妻連峰浄土平(吾妻小富士、浄土平湿原、酸ヶ平湿原、鎌沼)を散策
吾妻連峰浄土平は、福島駅から車で30分で行くことが出来るお手軽な観光地ですが、なかなか見所があるところでお薦めです。台風と前線の影響で雨マークだった予報が朝起きたら曇りに変わったので、急遽、出かけててみました。まあ、南相馬から福島駅まで1時間半かかるので、実際には結構な距離なんですが。
浄土平には、福島市内から有料道路の磐梯吾妻スカイラインで30分です。しかしながら、磐梯吾妻スカイラインは東日本大震災以降無料となっていましたが、平成25年7月25日から恒久無料開放となり、かなりお得感があります。ちなみに浄土平駐車場も現在は無料(11月15日まで)。原発事故の風評被害で苦しむ福島県が観光振興を図っていると思われます。
視界数10メートルのガス(霧)の中、標高1700メートルの浄土平に出ると、一瞬霧が晴れてこんな景色が。
火山性ガスに注意の看板。停車しても窓を開けてもいけないとのこと。試しに停車して窓を開けてみたらもの凄い硫黄の臭いがします。因みに、ここから800メートル先がダメということで、私はその手前でやったということです(笑)。この先は一気に通過しています。こんな看板があるにもかかわらずバイクの通過はOKだし、自転車で登っていく人もいます。大丈夫かと心配になりますが、大丈夫なようです。
浄土平という名称がピッタシな景色です。日本の道路100選に選ばれています。
今回の第一の目的、浄土平駐車場から吾妻小富士に登ることです。階段が整備されているので、一般の観光客もここには登る方も多いのですが、半袖であったりスカートなどのナメた服装なので「寒い寒い」と写真だけ撮ってすぐに下りてしまいます。でもね、お鉢巡りですよ。こんなお手軽な環境で山歩き気分を楽しめるところはあまりないのですよ。
駐車場側から見た吾妻小富士、穏やかな山容です。
スカイライン側(福島側)から見たところ。転がり落ちたらやばい感じです。小富士という名称が付いた理由がわからないでもないですな。
10分程度、我慢して階段を登っていくと、いきなり迫力の直径500メートルの火口が見えます。この日は、前線の影響でかなりの強風で気温も20度以下、とても半袖では耐えられません。ヲレは、長ズボン、長袖シャツ、フリースのトレーナー、登山用レインウエア、18Lのザック、水500mlを用意してきているので大丈夫。備えは必要です。
お鉢巡りは一周1.5kmで30分程度あれば廻れます。道は付いていませんがさすがに迷うことはありません。幅があるのでなるべく風上側を歩きます。強風で転がり落ちるのは嫌なので(というか死ぬ)。ガスが常に流れていて、1分として同じ景色でいません。
吾妻小富士のピーク(山頂)はお鉢巡りをしないと立てません。階段を上りつめたところの反対側になります。
反対側から浄土平側をみたところ。壮大な景色です。
ぐるりと廻って浄土平駐車場に下りて休憩。レストハウスで食料を調達して、次は駐車場を挟んで吾妻小富士と反対側の浄土平湿原を抜けて酸ヶ平湿原、鎌沼に向かいます。ここは健脚コースで観光客は無理です。約5km、標高差200m、2時間程度の散策となります。それなりの山歩きの装備が必要です。熊出没注意の看板があちこちで見られます。
浄土平湿原を抜けて登山道に入り登っていく途中、振り返るとガスが晴れて吾妻小富士の全景が見えました。火口があることが判ります。ここからもハイマツが生えている登山道をどんどん登ります。
一瞬、一切経山もガスが晴れてピークが見えました。一切経山は活火山で中腹から噴気(火山性ガス)が見えます。
酸ヶ平湿原、素晴らしい景色です。木道もしっかりと整備されていて、快適な歩きができます。登山者にはほとんど会いません。この景色を独り占めできるのは幸せです。尾瀬沼なんかだと人だらけだもんなあ。
わー、一気にガスが捲いてきました。こういう緊張感が堪らないですよ、自然の威厳というかそういうものを感じます。
振り返ると避難小屋あたりもガスで覆われ始めました。この避難小屋のところから一切経山に登ることができますが、今回は備えがあれなんで我慢しました。
鎌沼が見えてきました。なかなか大きな沼で三日月の形をしています。散策道は、鎌沼をぐるりと廻る形になります。静かで荘厳な雰囲気です。素晴らしい。クマザサがびっしり生えています。
静かです。熊が水浴びしていたら、嫌です。
湿原にはこの花があちこちに咲いていました。植物には滅法弱いので花の名前がわかりませんが、鮮やかな青が涼しげです。
ということで、2時間掛けて浄土平駐車場に戻ってきました。鎌沼からの下りでは、運動不足により膝が笑って情けないこと。怪我だけはしないよう慎重に歩きました。1802メートルの蓬莱山をぐるりと一周するコースです。一切経山もそうですが、時間を掛けてじっくりと巡りたい自然いっぱいの散策コースが他にもあり、福島県の新たな魅力を発見しました。