高地戦

この韓国の映画『高地戦』、どうしても観たかったのだが静岡県内では1館しか上映しない。大苦労(交通費・駐車場代など3000円近く散在)して観に行ったのだが、いやいや、良かったよ。なんて言ったって脚本が名作「JSA」と同じなんだよね。共通することは、北も南も元は同じ民族であったということ、お互い同じ言葉をしゃべり意思疎通ができるお互いなんら変わらない同じ民族。そこにはなぜ殺し合わなければならないのかという疑問を持っていること。まさに悲劇としか言いようがない。

ICBMミサイルを打ち上げる北朝鮮にも、竹島を領土問題とけしかける韓国も困ったものだが、実はそれぞれこのような悲劇の歴史を抱えながら国を維持しているということを平和ぼけの日本人も意識をしなければならない。

それにしても『高地戦』という邦題はいかがなものか。"The Front Line"なんで「最前線」とも訳すべきか。それと予告編の映像、これも酷い。確かに休戦協定の悲劇は大きな一つのテーマであるが、それって起承転結の結の部分じゃないか。いくつかの小さなポイントが重ね合っての休戦協定、もっともっと悲惨な事実があるのだよ。予告編だけ見て判った気になってはいけない。

戦争映画は「プライベート・ライアン」から確実に変わった。韓国の戦争映画もついにここまで来たかというレベルの完成度である。過酷なロケ現場の事情もあるが、手持ちカメラの臨場感が半端ない。でもね、エンターテイメントとしては全体的に面白いのだが、まあご都合主義的なところもあるかな。ご愛敬。