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 外事警察 その男に騙されるな

今年、最も愉しみにしてた映画「外事警察 その男に騙されるな」を観た。劇場公開2日目だというのに、観客は6人ってどうよと思ったが、日曜日のレイトショーであるし、友人からは「普通、今日はサッカー観ています」と言われたりした。でも、この6人、かなり期待して観ていたのだろうなあ。

そそ、この映画。もうこのイントロダクションで判るとおり、うーん、ちょっと残念だった。

やはり、NHKドラマ「外事警察」(http://www.nhk.or.jp/dodra/gaiji/)の出来が半端なく実験的で完成度が高かったために、もうその印象は払拭するだけの新たな試みは中々できないのだよね。手持ちカメラでのカメラワーク、照明、カット割りなど、外事警察という素材を際立てる映像表現的なところはすべてやり尽くした感があるので、映画になっても、やはりそれは越えられなかったということ。

外事警察というテーマで物語を作るとなると、その性格上、確信に至るまではそれなりの段階を踏まないとならない。すぐに結果が見えてしまうような展開では、外事公安警察という裏の世界から現実に呼び戻されてしまうのだよ。「海猿」や「踊る大捜査線」みたいなノンストップ・ムービーではなくて、暗闇に紛れて出口を探すとか、絡まった糸を解きほぐすみたいな伏線を回収しながら、地味に明らかにしていく展開でなければならない(を期待している)

そういうことを考えると、たかだか2時間程度の映画ではやはり無理がある。展開が早すぎて興ざめ。例えば、対象者の24時間拠点監視があっという間に終わってしまうし、協力者の獲得への判断も安易だ。やはり映画的な面白さを期待しているので、例えば、数十人規模での秘匿尾行とか摘発、デッドドロップとかライブドロップといった情報などのやりとりなどみたいではないか。映像的な面白いさってこういうところだと思うのだけれど、あまり無かったのだよね。

ヲレは、NHKドラマを3回観たので充分理解しているが、初めて映画を観た方は、国・公安側の人間関係が判ったのであろうか。内閣官房長官・内調情報官・警察庁警備局長の3人だけでも微妙な力関係があるし、警備局長の「嫌いだな」という言葉一つだけでも、実は重みがあるのだよね。これはNHKドラマを見ていないと判らない。住本の過去も重要だ。

やはり、NHKドラマ「外事警察」あっての映画「外事警察」なんだよな。映画を観るならドラマを3回観てからと言いたいのだが、ドラマを見てしまうと映画が物足りなくなってしまうというジレンマがある。うーん、そうなるとやはり、ドラマでの続編で、じっくり作り直すのが真っ当だったのかな。安っぽい焼き直しになってしまったと思う。