リアル・スティール

この映画がいつまで上映されるのかわからないが、少なくとも年末年始に映画を観るのであれば、この映画を選択すべし。間違っても『怪物くん』なんか観ては駄目だよ。

ストーリは、簡単に言えば、人間に替わってロボットが格闘(ボクシング)することが興業として成り立っている近未来(2020年)の話で、そこに夢破れたダメダメの親父と母親を失った賢い息子の話が加わるもの。「ポケモン」と「ロッキー」と「トランス・フォーマー」をごっちゃ煮したようなスタイルだ。ロボットのCGが凄いだけという『トランスフォーマー』シリーズに飽き飽きとした方でもオーケーなもの。

ありがちなストーリがどうしてこれだけのエンターテイメントに成り得たかは、雑ぱくなストーリを様々な視点からすべてを丁寧に作り上げているからだな。伏線が多いとかそういうことではない。CGが迫力あるだけとか、親子の関係が泣けるとか、そういう単純なことではなくて、すべてが一定レベル以上に高めてある。ロボットの人間くささ、ロボットとの機微な関係、人間の醜さ、ヒュー・ジャックマン演じる親父を徹底的にダメダメに貶めている泥臭さ、小賢しいまでに理知的なダコタ・ゴヨの演技、メタルな音楽、日本人好みの勧善懲悪的な展開など、文句の付けどころがない。

まさに娯楽大作、親子でも安心して観ることができるよ。