希望ヶ丘の人びと
安心して手に取ることが出来る作家の一人、重松清とは同年代なので、今まで感じてきたことが同じなのかもしれない。何気ない日常を描いたところで共感できる部分が多い。妻を亡くした主人公の娘は我が子と同じ中学生2年生の娘。同じなんだよね小説の中と。最近は不登校になりかけたり心配させるし、当たり前の会話をするのも大変。最近、やっぱり小説の中で妻を亡くす設定の『グラスホッパー』も読んでいるので、流しで洗い上げをしている妻をみて、どうなんだろうと自分に置き換えながら読む。そういう意味でもとてもリアルな小説。
※文庫版の上下巻を並べると繋がるのだよね。
主人公の田島さんのちょっと弱気で気遣いいっぱいなところも、そうだよなあと思うし、登場人物みんなが普通の感性で行動しているところがとてもいい。
- 作者: 重松清
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/01/16
- メディア: 単行本
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それにしても、エーちゃん、かっこいい。ロッケンロールよ。優しい小説。
著者があと書きで「希望ヶ丘」は「日本」のメタファーとして書いたというが、ほんと、今の日本って、信じるしかないって状況。「希望は世界のどこかに転がっているぜ」と信じるしかないんだよ。普通の人々の普通の感性、あまりにもリアルだけれどもイヤみではない。これって、重松清のやさしさ暖かさ。とても感動したので、ラノベばかり読んでいる娘にも読ませたい(←こういうのがダメなんだろうか?)