先輩の死

20年も前からよく遊んで戴いた先輩が亡くなった。もう退職なされて6年ほど経つが、出棺後、奥さんの希望により以前勤めていた職場の前を通って火葬場に向かった。沢山の当時の同僚らが見送りをした。

今年の3月、別の2人の先輩達と一緒に長野に旅行に行く予定で、宿も飛行機の手配もしたのだが、その方が直前に行けなくなりその方だけがキャンセルをした。あれが最後の旅行の機会だったのに悔やまれる。少なくない金額の寸志を押しつけて「直前にキャンセルさせてもらって申し訳ない」と随分と気にしていた。そのお金で旅行土産を買ってきて「また体調が良くなったら行こうよ」と約束をした。次の機会を楽しみにしていたのに。

私の方が随分と年下だったのに、たくさん遊んでもらった。バイク・ツーリング、仕事が終わった後の地引き網、ラスベガスでギャンブル、香港・マカオ、海南島などなど、楽しい思い出がいっぱいだ。

10日ほど前、入院先の病院に見舞いに行った時、意識があったのかどうかわからないが、声を掛けるとギョロと目を開き、視線を合わせてくれたように思う。「聞こえているんだよね」と話しかけたが判ってくれたのだろうか。

体は熊みたいに頑固大きかったが、気が小さく優しい方だった。合掌。