神の火
高村薫を読むのは久しぶり。この小説は平成3年の刊、20年前だ。読むのなら文庫版で。400枚ほど追加して書き込んでいる。
でも、相変わらず判りにくい表現と構成。それでも我慢して読み続けるとなんとなく全体像がなんとか見えてくる。読者に優しくない小説、まったくこれでいいのか。正直、この著者をどう評価していいのかわからん。ただただ、なんか凄い人だなあということは、直感的に感じるところ。
- 作者: 高村薫
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凄い!最後には緊急停止したばかりの原子炉格納容器の蓋を取り外すというストーリは、福島第一原発の事故がリアルタイムで進行中の今では絶対に書けない。というか、携帯電話もなかった20年も前に先取りして書き上げた高村薫がやっぱり凄い。
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原発の脆弱性を指摘するこの小説は、もっともっとと利便性を追求し続けた現代人を批難する。浜岡原発から16キロに住む者にとっては、安全神話なんてクソくらえだ。
- 原子力、それは人類が神から盗んだ火。
- 頭がすべてだと考えている人間の哀れさよ!(ゲーテ)
やっぱり触れてはいけない部分なんだよ。