レインツリーの国

メールのやり取りから発展するパターンは今ではありがちで陳腐なイメージなんだけれども、そっから先が素晴らしい。有川小説では珍しく重いテーマを大切に扱っている。いや他の小説が軽くてノーテンキだと評価下げるわけではなくて、この小説に限れば読み手に真剣な姿勢が求められるのだろうなということ。

レインツリーの国 (新潮文庫)

レインツリーの国 (新潮文庫)

ラブコメでもないし、単なる恋愛小説でもない。ある意味、『図書館戦争』のサイドストーリであるが、色は違う。仕事上、福祉に関わることが多いので特にそう感じるのだろうか。激しく良書。

ああ、そうだ。誤りを見つけた。新潮文庫の平成21年初版172ページ中「ストッキング」は「ハイソックス」の誤りだと思う。文庫本でも直らないこともあるんだ。『砂漠』もそうだけれども。