太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-

藤枝死ねプレー後、←毎回この変換になるなあ。もとい、藤枝シネ・プレーゴで、ドライバーズ割引1000円で観る。それほど期待せずに観に行ったが、これ、よかった。

俳優の名前が一人としてわからないのでそれまでの経歴など何とも言えないが、大畑大尉役の竹野内豊はなんとも軍人らしくない顔つきで、ジャングルの中に潜む日本兵としては最後まで馴染まなかった。なんで彼を配役したのかと思うが、それは軍人としての強さと言うよりも赤ちゃんを抱く姿とか、民間人と協力する協調性の良さとか、そういう部分でなんだろうと勝手に想像する。だから、副題の「フォックスと呼ばれた男」に違和感を感じる。アメリカ軍に恐れられたという部分が描ききれていないのだよ。この俳優ではじぇんじぇん恐ろしくない。

一方、唐沢寿明も妙だ。軍人らしいストイックな部分が無く強そうではない。俳優の問題であるのか演出の問題であるのかはわからないが、おそらく両方。それでもって、使っている銃がトンプソンM1A1だよ。『コンバット』のサンダース軍曹を思い出したが、軍人としてのリアリティさはとてもビッグ・モローにはかなわない。フルオートで撃ちすぎだよ。だいたい、薬莢、排出されたっけ?(←また、それか)

でもね、かなりあまいストーリで戦争の悲惨さは微塵も感じないが、映像的にはしっかり敵方のアメリカ軍が出てくるし、そっち側の映像も多かったし、ジープがかっこよかったのでオーケーとする。原作が、アメリカ人が書いたものというのも良い。戦争なんてこんなセンチメンタルなものじゃないのだけれど、『硫黄島からの手紙』よりははるかに受け入れやすい。描きたい部分が明確だからかな。ちなみに、ヲレくらいのおっさんになると、横井さんとか小野田さんを思い出しながらこの映像を眺めることになる。